廃掃法の歴史

2025.03.31

廃掃法の歴史

廃棄物処理法とは?

今回は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」、通称「廃棄物処理法」についてご紹介します。この法律は、廃棄物の適正な処理と清掃を通じて、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的に制定されました。私たちの生活に密接に関わるこの法律を理解し、適正な廃棄物処理を行うことで、より良い環境を共に築いていきましょう。

廃棄物処理法とは?

廃棄物処理法成立の背景

まずは廃棄物処理法の成立の経緯を見ていきましょう。

廃棄物処理法成立以前の廃棄物処理は、清掃法(昭和29年制定)に基づき、市街地における汚物の衛生的な処理と生活環境の清潔保持により、公衆衛生の向上を図ることを主たる目的として行われていました。

しかし、昭和30年代から飛躍的に産業が発展。それに伴って工場から排出される、多量の排水、排ガス、廃棄物には、自然浄化力では処理しきれないほどの有害物質が含まれていました。ついには水俣病 やイタイイタイ病等の深刻な公害が発生し、市街地内のみの公衆衛生向上を目的とした「清掃法」では、もはや解決できない状態となっていきました。

公害対策の強化と廃棄物処理法の制定

この対策として昭和42年に公害対策基本法が制定され、昭和43年には大気汚染防止法、騒音規制法が制定されました。さらに昭和45年の第64回臨時国会にて、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」を含む14の公害関係法が制定または改正されました。

廃棄物処理法の特徴

廃棄物処理法は、清掃法を全面的に改正し、事業者処理責任を明確にするとともに、産業廃棄物についての処理体系を確立するなど、社会情勢に合わせた廃棄物処理システムを整備し、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的としています。

特徴としては、

  • 廃棄物を一般廃棄物と産業廃棄物に大別し、産業廃棄物以外の廃棄物を一般廃棄物と定義する。

  • 一般廃棄物については、市町村は区域内の一般廃棄物を適正に処理するための一般廃棄物処理計画を策定し、市町村自ら処理したり、民間業者に委託したりするなどしなければならないとし、その処理責任は原則として市町村にあると規定する。

  • 事業活動に伴って生じた廃棄物は、産業廃棄物、一般廃棄物を問わず事業者が処理責任を有するとした上で、産業廃棄物については、事業者が自ら処理基準に従って処理するか、都道府県知事等の許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託しなければならないと規定。

公害国会と未来への決意

公害国会と呼ばれた昭和45年の国会で、熱い議論の末、ついに廃棄物処理法が成立しました。これは未来の子供たちに美しい社会を残すという決意の表れでした。この瞬間、日本は新たな一歩を踏み出し、持続可能な社会への道が切り開かれたのです。

次回予告

次回からは廃棄物処理法の内容を詳しく説明していきますね。

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